コーチングは胡散臭い!? ネズミ講?かつてコーチングで人格形成しプロコーチとして食べていこう!と思っていた僕が今思うこと。※視覚障害発覚当時作成投稿日:2022年05月14日 更新日:2022年05月24日
僕がコーチングに興味を持った理由
※本稿は、2020年(僕が緑内障と診断された頃)に作成した記事です。
僕は45歳の時、約7年間勤めていた会社を辞めることになりました。
その数年前、約7年間付き合っていた彼女にフラれました。
僕は、その仕事も、彼女のことも、すごく好きでした。
会社には愛社精神を、彼女には愛情表現を自分なりに伝えていたつもりで、充分伝わっているものだと思っていました。
しかし、結果的に、双方から「あなたは必要ない」と三行半を突きつけられたのです。
それまでも色々な会社に勤め、活躍もしてきたつもりでした。
数名の女性と恋をし、それぞれ一定期間お付き合いもしました。
暴力を振るったり、犯罪まがいのことをしたことは一度もありません。
それでも『必要なくなった』または『好きじゃなくなった』と言われてしまう。
やはり自分の性格に難があるのか・・・
と猛省しました。
このままではいけない!
自分の性格を変えるか、しっかりとした技術を身につけない限り、いつまでたっても仕事や恋愛が長続きしない人間になってしまう。
そんな時見かけたのが、コーチングの紹介動画だったのです。
コーチングとは!?
ここでは詳細には触れませんが、簡単にだけお伝えすると、アメリカの大統領や、オリンピックメダリスト、また有名企業の社長など、多くの成功者達も受けている(もしくは過去に受けていた)とされる、目標達成や人格形成スキルです。
コーチングのコーチは、専門分野の実績や知識が無くても、あらゆるジャンルやカテゴリーにおいて、クライアントが掲げる目標(出世、勝利、人格形成、自己実現など)を手助けできるスキル(対話術)を持った人とされています。
『実績や知識が無くてもできる』という点が、一般に知られている『スポーツのコーチ』や『受験のコーチ』とは違うポイントで、且つ、多くの人が「自分もプロのコーチになって稼げるかも」と勘違い(※以下で説明)してしまう部分なのでしょうね。
コーチングはうさんくさい!?
コーチングが胡散臭いといわれる理由は良くわかります。
それは、
- 『コーチングを受けた時と受けなかった時』を比較することが出来ないから
- コーチングスクールがネズミ講的だから
- 法外なコーチ料やセミナー参加費を取っているコーチがいるから
それぞれ見ていきましょう。
※以下あくまで僕(一個人)の感想です。
1. 同じ人の人生で比較することが不可能だから
占いや宗教などと同じで、
教えを受けた時と、そうでない時
同じ人の同じ人生で比較することが不可能なことから、
本当にコーチングで良くなったのかどうか分からない。
というのが最大の理由でしょう。
結果が良ければ「コーチングのおかげ」
あまり良くなければ「コーチングを受けていなければもっと酷いことになっていた」
ということが可能だからです。
2.コーチングスクールがネズミ講的だから
コーチになるため、資格などは必要ありません。
※心理カウンセラーになるには、一定の学費と難易度の高い資格が必要です。
そのため、プロのコーチになりたければ、独学でもなれるわけです。
大げさに言うと、全くコーチングのことを知らない人でも、今日から「私はコーチです。」と言えばコーチになれます(スクールやセミナーなどで発行しているコーチ資格は全て『民間資格』ということになります。)
その『民間資格』が欲しい人や、コーチングをまじめに学びたいと思っている人に対し、
「当スクールで学べばコーチになって稼げます!」
「当スクールで資格取得しましょう!」
と謳い、高額の授業料を取るスクールやセミナーがあるのは事実です。
「絶対に儲かる」「あなたも稼げる」などと謳っているところは避けておくのが無難でしょう。
※すべてのスクールやセミナーがそうだというわけではありません。真摯に、純粋にコーチングを広めようとしているスクールも少なからずあると思います。
それでもビジネスだと言うことに違いはありませんが・・・。
コーチングスクールがネズミ講的と言ったのは、テニススクールや語学学校などと違い、
『コーチングを教える』というよりは、『コーチを養成する』為のスクールであり、資格発行を餌に収益を得ている(ように見える)からなのです。
コーチングが「うさんくさい」と言われる理由の1つでしょう。
3.法外なコーチ料を取っているコーチがいるから
コーチ業一本で生計を立てられる人は、ほんの一握りだと思います。
だからこそなのか、コーチングを学んでいる時
「1ヶ月にクライアントからいただくコーチ料は、自分が1ヶ月生活していくのに充分な料金を。」
と教えられたことが何度かありました。
「よく”自分は実績が無いから” と遠慮して少額のコーチ料しか貰わない人がいますが、それでは生活できない。ボランティアではないのですから」と。
しかしこれは裏を返すと
「自分のスキルは度外視して、自分の都合だけ考えろ」
と言っているようなものです。
だからなのか、プロとして一定の収益を得ている人のコーチ料は、非常に高額な場合が多いです。
特に、著書が売れていたり、動画で再生回数の多い、コーチとしてある程度名前が通っている人の場合は、セミナーに1度参加するだけで10万円を超えるものもあり、驚いた記憶があります。
しかし「それでも受けたい!」という人がいるわけですから、一概に法外とは言えず、しかもスポーツや芸能人などと同じで、ごく一部の人しか真の(それだけで生活できる)プロにはなれない世界。
その中でトップになった人のコーチ料やセミナー料が高額なのは、ある意味当然なのかもしれません。
コーチングに関わる人って、どんな人?
コーチングに関わろうとする人には、大きく分けて2タイプあると思います。
- 自身がコーチングを受けることで、目標達成、または自己形成しようという人。
- 自身がコーチになって、他人を救おう、または生業にしようとする人。
コーチングを学んでいる人って、どんな人?
意外と真剣に取り組んでいる人が多い
コーチング自体は、(特に海外の)政治家やCEO、スポーツ選手など「成功者が活用している」と賞賛を受ける一方、「うさんくさい」「マルチ商法」など良くない噂が立つなど、賛否両論です。
しかし、学んでいる人に関しては、まじめに「誰かを救おう」「他人の目標達成の手助けがしたい」「その結果、喜びを分かちあったり、仕事に出来るなら、こんな素晴らしいことはない」など、真剣に考えている人がほとんどのように感じました。
コーチングを教えている人って、どんな人?
大きく分けて2タイプ
- 資格はもっているが、あまり収益は得られていないコーチ
- 一定以上の収益を得て、仕事として成り立っているコーチ
コーチングスクールについて
一方、コーチング『スクール』はどうでしょうか。
僕は、コーチング『スクール』は、所詮ビジネスでしかないと考えます。
僕が当時通っていたのは、比較的リーズナブルな価格で、比較的簡単に資格が取得できるスクールでした。
「コーチとして活動を始めるためには資格が必要だ」と考えていた為、とにかく出来るだけ安く、資格が取れそうなスクールを選んだのです。
そのスクールでは、4段階のコースに分かれていて1コース2万円~3万円。
「4コースすべて受講すれば資格がもらえる」といったものでした。
つまり資格を取得するには11万円~12万円が必要ということになりますね。
※結局僕は、コースを2つまで受けたところで受講を止めました。
多くのコーチ、生徒、クライアントさんと出会う中で、「コーチになりたければ、独学でもなれるし、資格は必要ない」と気づいたから。
実際『資格があってもコーチだけでは食べていけない人』を何人も見てきました。
結局は資格の有無ではなく、才能と努力を併せ持った人しか、稼げるコーチにはなれないのです。
コーチングを学んで良かったこと
「レセプターが立つ」「sus」(※)というコーチング用語がありますが、これはなるほどと思うことが良くありました。
※興味を持っているもの、強く意識している事柄、物事、テーマなどは、意外なほど情報が得られる(関連話が舞い込んでくる)、というもの。
しかしこれは、コーチングを学んでいるいないに関わらず、ある意味自然の摂理だと思います。
コーチングで食べていけるか!?
もし僕が今、知人から「コーチングの資格を取りたいので、どこかのスクールに入学しようと思う」と相談されたら、
「やめておいた方がいい」
と回答するでしょう。
コーチングビジネスについては、あくまでビジネスだからです。
ここまでの話の通り、コーチとして生計を立てられる人はごく一部の人だけです。
他のプロフェッショナルと同じで、相当の才能があるか、血のにじむような努力をした人、またはその両方を備えた人だけがなれるものなのです。
資格が無くてもコーチにはなれますし、スクールに行かずともコーチングを学ぶことはできます。
それに本物のプロになるような人は、他人に相談などせず、まず行動しているでしょう。
才能溢れた人であれば、勉強する前に既に周りから『いつも相談される』ような空気感を持っているのではないでしょうか。
僕が見た中で、最低限稼ぎがあるコーチは
- コーチングに対する並々ならぬ情熱を持っている
- 生まれながらにコーチとしての資質を持っている
の、どちらかだと感じました。
コーチングで人格形成できるか(理想の自分になれるか)!?
僕の場合に限ってお話しします。
コーチングによって大きな変化が生まれることはありませんでした。
僕は空気が読めすぎる反面、思ったことは言わずにはいられない性格です。
それが原因で、会社員という立場も彼女も失ったと思ってきました。
コーチングで、この性格を治せたら・・・。
できることなら、周りから尊敬されるような人物になりたい・・・。
とワラにもすがる思いで学び始めたのですが、僕の場合、特に変化無しだったと言えます。
もちろんコーチングを受けた直後や、コーチング動画を見た時などは
「なるほど!自分もこれで変われるかも!」
と思ったものです。
しかしいざ現実や日常に戻ると、イヤな人と遭遇したり、イヤなことに直面したり、また、自分のイヤな側面が出てしまったり・・・と、結局元の自分に戻ってしまうのです。
コーチングで目標達成できるか!?
僕は45歳で仕事を無くしたとき、コーチングに限らず様々な自己啓発本を読みあさり、動画を見たり講演会やセミナーなどにも参加しました。
と、同時に仕事のスキルを身につける為、プログラミングや英語、法律なども学びました。
結論としては、コーチングだけでは目標達成はできません。
あたりまえのことですが、それぞれ自分が持っているスキルや才能、それをどう伸ばすか、の助けになるのがコーチングやメンタルトレーニングなのだと思います。
何も持たない人が
『コーチングを受けることによって自分を見つけ、自分の好きなことを見つけ、それに没頭し、成功者になる』
などあり得ないのです。
僕がおすすめする『自分に自信をつけたり将来が楽しみになる日々を送る方法』は、
まずスキルを身につけるか能力を磨く。そして何より『楽しく没頭できる何かを見つけること』が最高の成功法則なのではないかと考えています。